1、瑞雲の理念は「岡田茂吉の食事観」

瑞雲は皆さまに支えられ今年創業37周年を迎えます。創業以来、私たちは、自然農法を提唱した岡田茂吉の食事観を企業理念として、商品を通して伝えてきました。

自然農法は、まさに瑞雲のルーツと言えます。自然農法とは、農薬や化学肥料、動物性肥料をほとんど使わず、自然界の本来持つエネルギーを活かし、生命力にあふれた作物を育成する農法です。

昨今では自然農法を有機栽培(オーガニック)と同様の意義で賛同していただく方も多くいますが、岡田が自然農法を提唱した昭和10年代、日本の一般的な農家では、まだ、農薬や化学肥料は使われていませんでした。化学農薬が広まったのは、第二次世界大戦後のことで、そうした概念すら無かった時代だったのです。

 

食べものを作る農民に愛とリスペクトを

岡田氏は、人間にとって欠かせない「食」の提供者である農民を愛し、リスペクト(尊敬)しました。

当時日本の農民の暮らしは、それまでの歴史同様、常に外因(自然災害・気象変動・病気・害虫/獣など)により、とても豊かとはいえない状況で、岡田氏はたいへん憂いていました。

第一次産業(農業就労者数)が最も多かった時代であってもこのような状況でした。※−1

 良い農法があるはずだ

そこで彼は もっと良い農法があるはずだ」と、農業の素人でありながら、持論で作物の育成の本質に立ち返り、構想を練ったのでしょう。岡田氏の持論の一つに森の草木のように、自然界にあるものだけで全ては足りる。否、足るべきだ」という自然順応的な考えを持っていました。持論は独特の言い回しで書き残されています

自然栽培の根本理念は、あくあで自然尊重であって、それは自然が良く教えている。およそ世界にある森羅万象あらゆるものの生成化育をみればわかるごとく、大自然の力、すなわち太陽、月、地球というように火水土の三元素によらぬものは一つもない。もちろん作物といえどもそうである。「農業の大革命」昭和27年1月30日

 今でこそ、自然科学者・環境家たちが当然のように説き、小学生でも知っている食物連鎖、生態系ピラミッド、生物多様性の概念※-3を、この時代にサラっと自然農法構想の柱としていました。その中でも最大限に注視したのが「土」でした。それは、土の成分や性質を分析するという観点とは違う視点でした。
 豊かな森は、様々な動植物のいのちの循環で成り立っています。その「いのち」の土台である土には、彼らの遠い先祖からの贈り物である、枯葉や死骸などが、元来の土と共に堆積しています。そしてそれらを肥沃にするのは、目には見えないファクターX的な存在。そう無数の微生物や細菌た
ちを含めた大自然の「いのち」に岡田氏は注目したのです。

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